すれ違いの後に話し合いを始める方法|責めずに切り出す例文

小さなテーブルの両側に空の椅子が置かれ、周りに席を離れるための空間がある部屋

すれ違った後に話し合いたいときは、結論を一度に決めようとせず、「今、その話をできそうか」を確認するところから始める案があります。自分が話したいことを一つ示し、相手が別の時間を選べるようにしましょう。話し合いを始めることと、その場で仲直りすることは別の目標です。

この記事は、お互いに会話を選べる関係で、予定や言葉の受け止め方に行き違いがあった場合を想定しています。自分の非を謝ることが必要なら謝罪を省かず、相手に連絡を断られている場合は、話し合いを理由に接触を重ねないでください。

この記事のポイント

  • 話す前に、今の都合と話す意思を確認します。
  • 起きた出来事、自分の受け止め方、聞きたいことを分けます。
  • 相手の説明を聞く時間を残し、結論を急がせません。

研究で調べられたことと、調べられていないこと

Salvatoreらは、生まれたときから追跡されてきた若い成人73人とその交際相手について、意見の対立を話した後のやり取りを観察しました。対立から離れられる程度を観察者が評価し、相手の回復が良好であることと、その時点の肯定的な関係感情や関係満足度との関連を報告しています。研究概要。

Rogersらは、架空の対立場面の切り出し文を示し、「私」を主語にするか「あなた」を主語にするか、誰の見方を示すかを変えて、受け手が防御的に反応しそうかを評価してもらいました。「私」を主語にする表現と、互いの見方を示す表現は、敵意の受け取られ方が低いという結果が報告されています。研究概要。

研究の限界として、ここでは両論文の概要で確認した範囲を紹介しています。前者は観察された関連であり、決まった休憩時間を取れば仲直りできるという実験ではありません。後者は架空の文への評価で、実際の恋人の反応や、日本語の次の例文を試した結果ではありません。後者の参加者の人数や募集条件は、確認した概要では分からないため補いません。

まず、自分が何を聞きたいか一つ選ぶ

例えば、帰る時刻について話が合わなかった場面なら、「相手が自分を大切にしていない理由」を聞く前に、「そのとき、何時に帰る予定だと思っていたか」を確かめる案があります。出来事と、そこから自分が想像した意味を分けておきます。

「昨日、帰る時間を聞かずに予定を延ばしてしまった」「私は、まだ一緒に過ごせると思っていた」「あなたは、どのくらいの予定だと考えていた?」という三つに分けられます。自分の行動に問題があったと分かっている部分は、相手の説明を聞くまで謝らない、という取引にはしません。

これまでの不満が複数あっても、最初の会話に全部載せなくて構いません。今日は帰る時刻の確認を話す、と範囲を決めます。別の出来事を次々に持ち出し、相手が一つ答えるたびに話題が広がる形を避けるための準備です。

「今、話せそう?」と入り口をつくる

「昨日の帰る時間のことで、私の考えとあなたの考えを確認したい。今、少し話せそう? 別の時間のほうがよければ教えて」

これは、相手が話すことを選べるか確認する実践上の提案です。「大事な話がある」とだけ伝えて待たせるより、何の話をしたいかを添える形にしています。ただし、この文なら相手が安心する、必ず応じる、という効果は検証していません。

対面で話す場合は、例えば、小さなテーブルの両側に椅子を置き、相手が自由に席を離れられる場所を選びます。これは会話する環境の一例で、座り方そのものに研究で確認された効果があるという意味ではありません。移動を妨げたり、返事をするまで帰さなかったりしないでください。

話し始めたら、自分の受け止め方と質問を分ける

成人の女性と男性が話せる都合を確かめ、自分の気持ちと相手の考えを話し始める4コマ
AI生成の4コマ。都合を確認し、違う考えを聞き始める架空の例です。話し合いによる和解や関係改善を保証していません。

「予定を延ばしたとき、私はまだ一緒にいたいと思っていた。急に離れることになって、私は寂しかった。ただ、あなたの予定を確かめられていなかった。あなたは、どう考えていた?」という切り出し方があります。

「私は寂しかった」は、自分の感情の説明です。「私には、あなたがいつも自分勝手に見える」は、主語が私でも相手の人格への評価を含みます。「私」を入れるだけで責める内容が消えるわけではないので、その後に何を述べているかを見直します。

相手が「私は先に帰る予定だった」と説明したら、すぐに反論を準備する前に、「先に帰る予定だと考えていたんだね」と、聞き取った内容を確認する方法があります。理解できた部分と、まだ意見が違う部分を分け、同じ気持ちになることまで求めません。

NG/OK比較:話し合いを判定の場にしない

NG:答えを決めて迫る OK:出来事と希望を示す
「私のことが大事なら今話せるよね」 「帰る時間のことを話したい。今か、別の時間はどう?」
「あなたはいつも勝手だ」 「昨日は予定を確かめられず、私は寂しかった」
「分かったなら同じ意見になるはず」 「どう考えていたか、聞かせてもらえる?」
「今日中に全部解決しよう」 「今日はお互いの考えを確認するところまでにしよう」

難しければ、いったん止める選択も残す

「今は話せない」と言われたら、「分かった。話すこと自体が難しいのか、別の時間なら考えられるのか、答えられる範囲で教えて」と一度聞く案があります。相手がそれ以上の返答を望まない場合は、期限や理由を何度も迫りません。

会話中に言葉が強くなったと気づいたときは、「今のままだと責める言い方になりそう。いったん止めたい」と、自分の状態として伝える方法があります。再開を双方が望むなら、その都合を相談します。研究の課題で使われた時間を、実生活の正解の休憩時間に置き換えないようにしましょう。

怖さを感じる、脅される、離れることを妨げられる場合は、この話し方を上手に使って解決しようとする必要はありません。その場を離れるなど自分を守る行動を優先します。落ち着いて話す責任を、一方だけが負うものではありません。

切り出す前のチェックリスト

  • 話したい出来事を一つに絞ったか。
  • 事実と自分の推測を分けたか。
  • 自分が謝るべき行動を、相手との取引にしていないか。
  • 今話すかどうかを相手が選べるか。
  • 途中で止めることと、意見が違うことを認められるか。

まとめ

すれ違いの後は、話す意思と都合を確かめ、自分の受け止め方を伝え、相手の説明を聞くところから始められます。一度の会話で元どおりになる保証はありません。まずは、何が違っていたかを双方が話せる場にすることを、今回の目標にしてみましょう。

謝罪を伝える必要がある場合はけんかの後の謝罪LINEの記事、相手の話を聞く準備には相談を聞くときの確認方法の記事も参照できます。

参考文献

  • Salvatore, J. E., Kuo, S. I-C., Steele, R. D., Simpson, J. A., & Collins, W. A.(2011). Recovering from conflict in romantic relationships: a developmental perspective. Psychological Science, 22(3), 376–383. DOI: 10.1177/0956797610397055. PubMed。
  • Rogers, S. L., Howieson, J., & Neame, C.(2018). I understand you feel that way, but I feel this way: the benefits of I-language and communicating perspective during conflict. PeerJ, 6, e4831. DOI: 10.7717/peerj.4831. PubMed。

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